日焼け止めの容器に並ぶ「SPF」「PA」「UV耐水性」は、同じ強さを別の方法で示したものではありません。
SPFは主にUVBによる赤い日焼けを防ぐ目安、PAはUVAを防ぐ目安、UV耐水性は水に触れた後も紫外線防止効果が保たれる程度の目安です。
したがって、数字や「+」が最も大きい製品を機械的に選ぶのではなく、外出時間、屋外での活動量、水に触れる可能性、塗り心地を分けて考えるのが基本です。
この記事では、3つの表示を読み分け、日常生活・通勤・屋外レジャー・海やプールで選ぶ手順を整理します。
youtubeでも解説していますので参考にして見てくださいね!
結論:3つの表示は別々の質問に答えている
最初に、表示と選ぶときの質問を対応させましょう。
| 表示 | 主な対象・意味 | 選ぶときの質問 |
|---|
| SPF | 主にUVBによるサンバーンを防ぐ程度 | 赤くなる日焼けをどの程度防ぎたいか |
| PA | UVAを防ぐ効果の程度 | UVAへの防御力をどの程度求めるか |
| UV耐水性 | 水に触れた後の紫外線防止効果の保持 | 海・プールなどで水に触れるか |

この3項目は代替関係ではありません。たとえば「SPF50+・PA++++」でも、UV耐水性表示がなければ、水に触れた後の保持性能をUV耐水性表示から確認することはできません。
一方、UV耐水性★★でもSPFやPAが自動的に高いわけではありません。
SPFは主にUVBによる赤い日焼けを防ぐ目安
SPFは「Sun Protection Factor」の略です。
日本化粧品工業会は、主としてUVBによるサンバーン、つまり皮膚が赤くなる日焼けを防ぐ程度を示す指標と説明しています。
表示はSPF2からSPF50までで、50を上回る場合は「SPF50+」と表示されます。
SPFを「何時間もつか」と読み替えない
SPF30なら30時間、SPF50なら50時間もつ、という意味ではありません。
SPFは規定された試験方法で測定する防止効果の程度です。
実際の使用では、塗る量が少ない、こすれる、汗をかく、タオルで拭くといった要因で状態が変わります。
表示どおりの効果を得るには、製品に記載された使用量と使い方を守り、必要に応じて塗り直すことが重要です。
塗り直しについては「日焼け止めの塗り直し方」で場面別に解説しています。
SPF50+は「無限」ではない
SPF50+は、SPFが50を超える製品に用いられる表示です。
「完全に紫外線を防ぐ」「一度塗れば一日中そのままでよい」という意味ではありません。高い表示値だけでなく、必要量を均一に塗れることや、生活の中で無理なく使い続けられることも選択条件です。
PAはUVAを防ぐ効果を4段階で示す
PAは「Protection Grade of UVA」の略で、UVAを防ぐ効果の程度を示します。
表示は次の4段階です。
| PA表示 | UVA防止効果の程度 |
|---|
| PA+ | ある |
| PA++ | かなりある |
| PA+++ | 非常にある |
| PA++++ | 極めて高い |
UVAとUVBは性質が異なるため、SPFだけを見てもUVAへの防御力は判断できません。日焼け止めを選ぶときは、SPFとPAの両方を確認します。
「+」が多いほど必ず自分に最適とは限らない
PAの段階が高いほどUVA防止効果は高くなります。
ただし、毎日使う製品では、肌との相性、使用感、落としやすさ、価格も継続性に関わります。
強さだけでなく、使用場面と製品表示に沿って十分な量を使えるかを含めて判断してください。
UV耐水性は水に触れた後の効果保持を示す
UV耐水性は、定められた耐水性試験を行った後のSPF保持率に基づく表示です。水に触れる場面での紫外線防止効果の持続性を、次の2段階で示します。
- UV耐水性★:一定の耐水性が確認されたもの
- UV耐水性★★:より高い耐水性が確認されたもの
星は塗りつぶしでも輪郭だけでも、意味は同じです。海水浴、プール、水辺のレジャーなど、水に入る場面では確認したい表示です。
UV耐水性は「汗に強い」の共通表示ではない
日本化粧品工業会のFAQでは、UV耐水性は外部から水に触れた場合の耐水性を示し、汗への耐性を示すものではないと説明されています。
日本では、汗への耐性について業界共通の表示方法は定められていません。
また、UV耐水性表示があっても、タオルで強く拭く、衣類や手でこすると落ちる可能性があります。水に入った後や拭いた後は、製品の表示を確認して塗り直してください。
UV耐水性★を重ねても★★にはならない
同じ日焼け止めを二度重ねたからといって、UV耐水性★がUV耐水性★★になるわけではありません。
SPF・PAも同様に、複数製品の表示値を単純に足し算することはできません。重ね使いでは、最後に塗った状態がむらなく保たれているかを重視します。
3つの表示から選ぶ4ステップ
水に触れるかを先に決める
海、プール、水遊びなど、全身または顔が水に触れるならUV耐水性を確認します。長時間水に触れる可能性がある場面では、製品の使用方法と塗り直し指示まで読みます。汗だけを理由にUV耐水性を選ぶ場合は、耐汗性と同じ意味ではない点に注意してください。
屋外で過ごす時間と活動を整理する
近所への買い物、通勤・通学、屋外スポーツ、一日中のレジャーでは紫外線を受ける条件が異なります。日差しの強さだけでなく、滞在時間、日陰の有無、帽子や衣服を併用できるかを考えます。
SPFとPAをセットで確認する
UVB対策のSPFと、UVA対策のPAは片方だけで選びません。日常的な短時間の外出では、必要以上に最高値へ固定せず、生活に合う表示と使用感を選びます。炎天下で長時間過ごす場合は、より高い表示を候補にしつつ、塗布量と塗り直しを優先します。
毎日必要量を使える製品か確認する
白浮き、乾燥感、べたつき、香り、容器の使いやすさ、落とし方は継続に影響します。表示が高くても、薄くしか塗れない製品では使い方に差が出ます。顔用・からだ用、石けんで落とせるか、クレンジングが必要かなど、パッケージの指示も確認しましょう。
使用場面別の選び方の考え方
| 場面 | SPF・PAの考え方 | UV耐水性の考え方 |
|---|
| 短時間の買い物・散歩 | 日常生活に合う値と使用感を優先 | 水に触れないなら必須条件ではない |
| 通勤・通学 | 移動時間、屋外時間、窓際で過ごす時間も考える | 汗と耐水性は別と理解して判断 |
| 屋外スポーツ・レジャー | 高めのSPF・PAを候補にし、塗り直す | 水に触れる場合は表示を確認 |
| 海・プール・水遊び | SPF・PAに加え十分な塗布と再塗布を重視 | ★または★★と使用方法を確認 |
| 肌が敏感に傾いているとき | 表示値だけでなく使用感と注意表示を確認 | 水辺では物理的対策も組み合わせる |
これは一律の推奨値ではなく、選択のための整理です。
紫外線量や肌の状態は日によって変わります。日焼け止めだけに頼らず、帽子、日傘、衣服、日陰も組み合わせると、塗りむらや塗り直しの間を補いやすくなります。
購入前に確認するチェックリスト
- SPFとPAの両方が使用場面に合っている
- 水に触れるならUV耐水性の有無と段階を確認した
- 顔用・からだ用など使用部位が合っている
- 製品に記載された使用量・塗り直し方を守れそう
- 落とし方が普段の洗浄方法に合っている
- 刺激やアレルギーに関する注意表示を確認した
具体的な製品を比較したい場合は「日焼け止めのおすすめ」、落とし方は「日焼け止めの落とし方」も参考にしてください。
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