VPNとは？基本の使い方や日常生活での使い方・海外の動画視聴について解説

仕事やショッピング・娯楽にと、インターネットは現代の生活において必要不可欠なものになりました。活用する場面が増えれば増えるほど、安全性やセキュリティ面が重要になってきます。情報の漏洩は企業や個人に多大な影響を与え、トラブルを引き起こす可能性も少なくありません。

 安心・安全な情報通信において、VPNの活用が役に立ちます。仕事のみならず、日常生活においても非常に便利！海外の動画視聴も可能になります。

 インターネットの利用に効果的なVPNについて詳しく解説していきます。

VPNとは？

 VPNとは「Virtual Private Network」の頭文字を取った略称で、「仮想専用線」とも呼ばれています。特定のユーザーのみが利用できる仮想のネットワークを構築して通信の内容を暗号化する仕組みであり、高いセキュリティ性を保つことが可能になります。

VPNの仕組み

VPNにはトンネリングやカプセル化といった仕組みが利用されており、これによってネットワークの安全性を確保しているのです。では、具体的にどのような仕組みなのでしょうか。

VPNの仕組み

•  データを暗号化し、さらにカプセルのように通信プロトコルで覆います（カプセル化）
  カプセル化されたデータは、相手のサーバーに到達しカプセル化が解除されるまで閲覧することができません。
•  送信側と受信側、それぞれに専用の機器を設置することで仮想的なトンネルを形成（トンネリング）
  このトンネルの中でカプセル化したデータのやり取りを行うため、第三者からは見えない状態になります。

 こうすることでたとえトンネルに侵入される・カプセルを開けられるという事態になっても、データを見ることができなくなっています。何重にもわたってセキュリティ対策がなされているため、高い安全性を確保することができるのです。

VPNの基本の使い方

仮想の専用線により安全に通信することができるVPN。基本的には企業において利用されることが多くなっています。企業においてVPNが必要となるシーンをまとめました。

リモートワークにおいて無料Wi-Fiを使う場合

近年、社員がオフィス以外で仕事をする「リモートワーク」を導入する企業が増えてきました。自宅や公共施設、さまざまな店舗で作業することで、社員の精神的・身体的なストレスを軽減したり、ワークライフバランスを向上したりすることができます。

公共施設やお店には無料Wi-Fiが設置されていることが多く、手軽に利用できて便利！しかしその一方、セキュリティ面において十分でない可能性が高くなっています。無料Wi-Fiは誰でも使えるため、データの漏洩や改ざん・ウイルス感染などのリスクがあり、トラブルの原因になることも。

VPNは仮想のネットワークを通じて無料Wi-Fiの通信内容を暗号化するため、データを不特定多数の人に見られることなく安全に仕事ができます。

離れた拠点同士をLANで繋ぎたいとき

企業の本社と支社を繋ぐ場合、これまでは専用線を用いて物理的に2拠点間を結んでいました。速度が安定しており、大容量のデータでも安全にやり取りができる信頼性の高い専用線ですが、設置や管理に手間がかかったり、距離が離れるほどコストが高くなるというデメリットを抱えています。

VPNなら物理的な回線を必要としないため、導入が比較的容易で、離れた場所でもコストが高くなることがありません。

また、専用線は本社と支社のみ1対1のやり取りであったのに比べ、VPNは支社同士の通信も可能に。離れた場所でも安全にスムーズな情報通信ができるようになります。

IP電話の使用時

リモートで会議や商談を行う場合、LINEやSkypeなどのインターネット回線を利用したVoIP（ボイスオーバーアイピー電話）の使用はおすすめできません。セキュリティが低いため、通話内容が盗聴・流出する危険性があるからです。

重要なやり取りをするため、安全にIP電話を使用したいときには、VPNを利用しましょう。IP電話に機能を応用することで通話内容を暗号化し、情報漏洩を防ぐことができますよ。

VPNの日常生活での使い方の例として海外の動画視聴について

企業においてVPNの活用が非常に有効であることがわかりました。

では、日常生活ではどのような使い方をすればいいのでしょうか。安全なデータ通信は、さまざまな場面で役立ちますよ。

スマートフォンでの利用

iPhoneやAndroidなどのスマートフォンには、VPN接続機能が標準装備されています。

さまざまなサイトで使われているIDやパスワード、クレジットカードの情報など、スマートフォンには個人情報が満載。データが流出すれば、大きなトラブルに繋がりかねません。

VPNを活用することで個人情報を守り、安心してスマートフォンを利用することができますよ。VPNを利用するには、専用のアプリのダウンロードが必要になります。Apple StoreやGoogle Playで探してみてください。

検索エンジンに情報を渡さない

YahooやGoogleなどの検索エンジンを使用すると、IPアドレスや検索内容が自動で記録（トラッキング）されていきます。これは検索の性能向上やマーケティング活動に利用されるために行われているものです。

では、悪意のある第三者が検索エンジンに不正アクセスするとどうなるでしょう。検索エンジンに自動で記録された個人の情報が流出し、トラブルに巻き込まれる可能性も少なくありません。

VPNを利用してインターネットに接続することで、IPアドレスを匿名化。検索エンジンに個人情報を渡すことなくインターネットを利用することが可能になります。

旅行先での無料Wi-Fi利用

旅行先ではホテルや飲食店、コンビニなどの無料Wi-Fiを利用することになるでしょう。長い期間自宅のWi-Fiが使えないときに、公衆の無料Wi-Fiは非常に助かります。

しかし、無料Wi-Fiは誰でもアクセスできるうえ、通信が暗号化されていないことが多いもの。不正アクセスやなりすましによる情報漏洩のリスクが高くなっています。

旅先でも安心してインターネットを利用するには、データを暗号化し安全にやり取りができるVPNを活用しましょう。

海外の動画視聴

海外のサイトの中には、日本からのアクセスや動画視聴ができないものがあります。

インターネットサイトはIPアドレスによってアクセスしている国を判断し、ライセンスや法律上の問題で表示できないコンテンツを制限することが可能です。そのため、日本からは海外のサイトや動画視聴ができないパターンが多くあるのです。

VPNは、仮想ネットワークとして海外のサーバーを指定することができます。こうすることで実際にいる国とは違う場所からアクセスしているように見せられるため、その国でしか利用できないローカルコンテンツにアクセスすることができるようになるのです。

これまで見ることができなかった海外の動画視聴も可能になります。

VPNとは？基本の使い方や日常生活での使い方・海外の動画視聴について解説のまとめ

リモートワークや支社同士のスムーズなやり取りが必要となった現代、データを暗号化し安全に通信が行えるVPNの導入は必須であると言えます。

 また、日常生活においても非常に便利。インターネット上に記録される個人情報を守り、不正アクセスや情報の流出を防ぐことができるのがVPNのメリットです。

 VPNを活用することで、海外のサイト閲覧や動画視聴が可能になることもあります。安全で便利なVPNを導入し、ネット通信環境を整えましょう。