洗濯表示は「この衣類にできる処理の上限」を示します。
家庭で洗えるか、使える漂白剤は何か、どう乾かせるかを別々に確認すると、洗える服を乾燥機で傷めるような判断ミスを減らせます。
この記事では、初めて衣類のタグを読む人に向けて、洗濯前に決めたい3つのことを順番に整理します。
洗剤の選び方より先に、衣類側の条件を確認しましょう。洗剤と柔軟剤の役割や投入口は、洗濯洗剤と柔軟剤の違いで解説しています。
先に押さえる3点:
- 洗う: おけの表示で、家庭洗濯の可否・温度・強さを確認します。
- 漂白: 三角形の表示で、使用できる漂白剤の種類を確認します。
- 乾燥: 四角形の表示で、干し方とタンブル乾燥の可否を確認します。
※2026年10月9日に消費者庁の資料を確認して作成しています。記号の正確な図形は、本記事で案内する公式一覧と衣類のタグを照合してください。
youtube動画でも解説していますので参考にしてみてくださいね!
洗濯表示は「必ず行う手順」ではなく、処理の上限
「40」とあっても、必ず40℃のお湯で洗うという意味ではありません。
示された温度を超えない範囲で、衣類に適した方法を選ぶための表示です。
洗濯の強さや乾燥方法についても、表示より強い処理を自己判断で加えないことが基本になります。
タグには基本的に、次の5種類が並びます:
| 表示の形・種類 | 判断すること | まず見る点 |
|---|
| おけ:家庭洗濯 | 家庭で洗えるか | 禁止の有無、数字、下の線 |
| 三角形:漂白 | どの漂白剤が使えるか | 斜線・禁止の有無 |
| 四角形:乾燥 | 干し方や乾燥機の可否 | 中の線・丸・点・禁止 |
| アイロン:アイロン仕上げ | 熱を加えられるか | 点、禁止、スチームの条件 |
| 丸:クリーニング | 専門店でできる処理 | P・F・Wなどと下の線 |
今回の目的は最初の3種類です。
ただし、干した後にアイロンをかけるなら、その表示も忘れずに確認してください。記号だけでなく、タグに書かれた文章も条件の一部です。

図は確認順序のイメージです。公式の洗濯記号を置き換えるものではありません。
手順1:おけの表示で、家庭で洗えるかを決める
1. 先に「家庭洗濯禁止」がないか確認する
おけに禁止を示すバツが付いていれば、家庭での洗濯はできません。
「中性洗剤なら洗える」「洗濯ネットに入れれば大丈夫」といった判断で、禁止表示を上書きしないでください。
丸の中の「W」は専門店によるウエットクリーニングの表示です。
家庭で水洗いしてよいという許可ではありません。家庭洗濯ができない衣類は、タグを見せてクリーニング店などへ相談します。
2. 数字とおけの下の線をセットで読む
おけの中の数字は、洗濯液の温度の上限です。
おけの下の線は処理の強さに関係し、線が増えるほど弱い処理になります。
線の意味は次の3通りです:
- 線なし: 通常の洗濯処理が可能な表示です。
- 下に1本の線: 弱い洗濯処理が必要な表示です。
- 下に2本の線: 非常に弱い洗濯処理が必要な表示です。
ただし、洗濯機の「おしゃれ着」「ドライ」などのコース名だけで適合を断定できません。
お使いの機種の説明書で、その表示の衣類に対応するコースと容量を確認してください。
3. 手洗いの表示は、下の線まで確認する
2024年改正後の資料では、手を入れたおけの表示にも違いがあります。
下に線がない手洗い表示は温度上限40℃、下に1本の線がある手洗い表示は温度上限30℃です。
「手洗い表示は全部40℃まで」と覚えないようにしましょう。
洗濯機に「手洗いコース」があっても、手洗い表示の衣類すべてに使えるとは限りません。衣類の付記と、洗濯機の対応条件の両方を確認します。
出典:消費者庁「新しい洗濯表示」2024年改正対応リーフレット
手順2:三角形で、使える漂白剤の種類を確認する
漂白の表示は、次の3通りを区別します:
| 三角形の表示 | できる処理 | 注意すること |
|---|
| 三角形のみ | 塩素系・酸素系の漂白剤を使用可能 | 製品の対象素材・使い方も確認する |
| 三角形の中に2本の斜線 | 酸素系漂白剤を使用可能、塩素系は不可 | 「漂白剤なら何でもよい」ではない |
| 三角形にバツ | 漂白処理はできない | 酸素系でも使用しない |
衣類の表示で許されていても、手元の漂白剤がその素材や色柄に使えるとは限りません。衣類の表示と漂白剤の注意書きの両方を満たすことが必要です。
「白い服だから塩素系」「色柄物だから酸素系」という色だけの判断も避けましょう。素材、加工、付属品によって条件が異なります。使用可否を判断できない場合は、漂白せずに衣類や製品のメーカーへ確認してください。
出典:消費者庁「繊維製品の新しい洗濯表示」
手順3:四角形で、自然乾燥と乾燥機を分けて判断する
自然乾燥の表示は、線の向き・本数・日陰の指定を読む
四角形の中に縦線がある場合はつり干し、横線がある場合は平干しを示します。
本数は脱水するか、ぬれたまま干すかの違いです。
| 四角形の中の線 | 基本となる干し方 |
|---|
| 縦線1本 | 脱水後のつり干し |
| 縦線2本 | ぬれつり干し |
| 横線1本 | 脱水後の平干し |
| 横線2本 | ぬれ平干し |
これらに日陰を示す斜線が付く場合は、日陰でその干し方を行います。
「平干し」をハンガー干しに変えたり、「ぬれ干し」なのに強く脱水したりしないようにします。
四角形の中の丸は、タンブル乾燥の表示
四角形の中に丸がある表示は、回転させながら乾燥するタンブル乾燥についての条件です。
中の点は温度条件を、バツはタンブル乾燥禁止を示します。使用する乾燥機で対応できるかは、機種の説明書も確認してください。
タンブル乾燥禁止は、すべての乾かし方が禁止という意味ではありません。
自然乾燥の表示を別に確認します。逆に、家庭で洗える表示があっても、タンブル乾燥が可能とは限りません。
出典:消費者庁・洗濯表示リーフレットの乾燥表示一覧
記号の横の「付記」まで読んで、コースを選ぶ
「洗濯ネット使用」「あて布使用」「同系色と一緒に洗う」といった文章は、記号だけでは伝えにくい注意を補います。ネットを使うことは、洗濯の温度や強さの制限をなくすことではありません。
たとえば、次のような衣類を想定します。これは説明用の架空例です:
- 家庭洗濯: 温度上限30℃、弱い処理が必要。
- 漂白: 酸素系のみ使用可能。
- 乾燥: 日陰で平干し、タンブル乾燥は禁止。
- 付記: 洗濯ネットを使用する。
この場合は「洗濯ネットに入れて標準コース、乾燥まで自動運転」では条件を満たせません。
対応する弱いコースを選び、乾燥運転を付けず、洗濯後は指定どおり干す必要があります。
複数の衣類を一緒に洗うときは、温度・コース・洗剤・色移りへの注意などの条件が両立するか確認します。
条件が異なる服を無理に一度で洗うのではなく、分けて洗う方が判断しやすくなります。
洗濯を始める前の最終チェック
タグを見た後は、次の5点を確認します:
- 家庭洗濯の可否: おけに禁止表示がないか。
- 温度と強さ: 数字・下の線に対応した方法か。
- 漂白剤: 衣類と漂白剤の両方で使用が認められているか。
- 乾燥方法: 自然乾燥とタンブル乾燥を取り違えていないか。
- 付記と説明書: ネットなどの条件、機種の対応コース・容量を満たしているか。
タグが切れている、薄れて読めない、販売ページとタグの情報が異なる場合は、素材名だけで処理方法を決めず、衣類のメーカーへ確認しましょう。
古い図解で新しい表示が見つからない場合も、消費者庁の現行資料で照合できます。
洗える条件を確認した後に洗剤を選ぶときは、洗濯洗剤の比較記事も参考になります。掲載商品の用途や使用量は、購入時の製品表示で確認してください。
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