割賦販売法とは❓クレジットカードの分割払い・リボ払いを解説

クレジットカードを利用していると、契約書類などで「割賦(かっぷ)」や「割賦販売法」という言葉を目にすることがあります。
いったいどういう意味なのでしょうか?
今回は「割賦販売法」について解説していきます。
割賦販売法はわたしたち消費者を守ってくれている大切な法律ですので、ぜひ一緒に学んでいきましょう!

いざというときに身を守ってくれる「割賦販売法」について詳しくなろう!
割賦払いとは


割賦販売法の対象である「割賦」とはなんでしょうか。
「割賦」とは、何回かにわけて支払うこと。
つまり、「割賦払い」とは、何回かに分けて支払う方法のことを指します。
割賦払いの対象:分割払い、ボーナス払い、リボ払いなど
▼割賦払いの対象になる支払い方法(代表例)
- 分割払い
- ボーナス払い
- リボルビング払い(リボ払い)
「ボーナス払いはボーナスで一括払いしているから、割賦払いに当たらないのでは?」という質問も出てくるかもしれません。
実は「翌月一回払い」以外の支払方法は、1回払いであっても割賦払いに該当するのです。
「通常の一括払い以外はすべて割賦払い」と覚えておきましょう。
クレジット契約は2種類
割賦販売法で定義している「クレジット契約」には、種類が2種類あります。
「個別クレジット契約」と「包括クレジット契約」です。
大きな違いは、クレジットカードを利用するかしないか。
- 個別クレジット:商品の購入ごとに個別契約を行なう。クレジットカードは利用しない。
- 包括クレジット:クレジットカードの利用金額限度内で商品購入の契約をする。クレジットカードを利用する。
つまり、クレジットカードに関する契約は、すべて「包括クレジット契約」に当たりますね。
割賦販売法とは


「割賦販売法」とは、クレジット産業全体の健全な育成のため1961年に施行された法律です。
▼1961年当時に定められた主な内容
- カード会社の加盟店が確実に立替金を受領できるよう、カード会社の登録制を導入
- 消費者トラブルを防ぐため、書類交付義務や契約条件規制を制定
クレジットカード導入直後の法整備という感じですね。
その後も2008年・2016年と必要に応じて改正されその時代に応じた新しい規制が定められています。
適用される範囲は、クレジットカードに関することだけでなく、訪問販売や電話勧誘販売・連鎖販売取引(いわゆるマルチ)など、それ以外の割賦販売も含んでいます。


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割賦販売法が定められている理由①消費者保護
割賦払いが普及し始めた当初から、その支払いに対するトラブルはあとを絶ちませんでした。
よくあるトラブルは以下のような内容です。
- クレジットカードの分割払いをしたら手数料がかかることを聞かされていなかった。
- 商品を購入したものの、すぐに壊れてしまい、分割での支払いだけが残ってしまった。
- 訪問販売が来て、本当は契約したくなかったのに、ムリやり契約させられてしまった。



どれもよく聞く事例だね。
とくに多かったのが、「悪徳商法による被害」です。
訪問販売や店頭販売などで、十分な説明がなかったり、都合の悪い事実を隠されたまま契約をさせられるトラブルが横行しました。
もしも、不適切な方法で勧誘された場合は個別クレジット業者はクレジット契約を結ぶことはできません。
そのため、消費者保護の観点から、割賦販売法による規制がされるようになったのです。



strong>「割賦販売法」は消費者の味方だよ!
実際に困った時にどんなことができるかはあと説明するね。
割賦販売法が定められている理由②不正利用防止
割賦販売法が定められているもうひとつの理由は、「不正利用の防止」です。
個人に発行されているクレジットカードの番号や、カード会社が持っている個人情報は、とても大切なものです。
これを不正利用されないために、クレジット業者に対してセキュリティ上の対策を求めています。
▼実際に行っている対策
- カード情報の漏えい対策のため、加盟店ではカード情報を持たないようにする。
- もしカード情報を保持するなら、カード情報セキュリティの国際基準に準拠すること。
- 偽造防止対策として、ICカード決済ができる端末をレジなどに設置すること。
つまり、カード会社は加盟店の管理をしっかり行ないしょう。加盟店でカードが不正利用されないようにしましょうという指示が出たのです。
割賦販売法による消費者の権利


割賦販売法によって認められている消費者の権利は、主に3つあります。
万が一の際にあなたを守る権利ですので、ぜひチェックしておきましょう。
1.支払停止の抗弁権
消費者はトラブルを理由に、クレジットカード会社からの支払請求を拒否できる権利をもっているのです
これにより「購入した商品をもらえなかったのに支払いだけが残ってしまう」という状況を防ぐことができます。
2.クーリングオフ
「クーリングオフ」とは、契約を解除できる制度のことです。
訪問販売や電話勧誘販売などで契約した「個別クレジット契約」(割賦払いの契約)をクーリングオフできます。
そのとき、同時に結ばれた「販売契約」も解除できるようにしています。
消費者はクーリングオフにより、契約を無効にでき、支払い済みの金額を返還してもらうことが可能です。
3.既払金の返還
※訪問販売業者等とは、訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引(いわゆる「マルチ商法」)、特定継続的役務(エステ、外国語教室など)、業務提供誘因販売取引(内職商法、モニター商法など)を行う業者です。
引用:経済産業省
たとえば、一般的に必要とされる量よりも明らかに多い商品を契約させられた場合などにこの権利を使います。
1年以内であればその契約を解除し、払った代金を返還するよう求められます。
つまり、明らかにおかしい契約をさせられた場合に、なかったことにできる権利ということですね。
クレジットカードの利用限度額も割賦販売法をもとに算出されています


クレジットの利用額が多すぎて、日々の生活が困らないように「この人はどれくらい払えるか?」という計算をすることをクレジット業者は義務付けられています。
クレジットカードの申し込みをするときに「年収」や「持ち家の有無」を聞かれたりしますよね。
これは審査を兼ねているだけでなく、限度額を決めるのに使われています。


この指標をもとに計算しています。
▼「クレジットカードの審査」について詳しくはこちら


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実生活にあわせて例外もあるよ
基本的には上記のような、審査や基準をもっていますが、実生活に合わせて例外も設けてあります。
▼例外事項(一例)
- 生活に必要な家電や携帯電話など10万円以下の契約は、支払い可能かの調査をしない。
- 自動車・学費・医療費など重要性が高い与信に関しては、見込み額を超えても契約できるようにする。
- 海外旅行や冠婚葬祭なの目的のため一時増額するときは、審査なしに増額できる。
- クレジットカード更新時に、債務残高が5万円未満であらば再審査は不要。



このように実生活にあわせた配慮がされているよ♪
クレジットカード取引は割賦販売法で守られている!安心して利用しよう
クレジットカード取引は、後払い・分割払いのためにややわかりにくい点もありますが、割賦販売法という法律でしっかりと守られています。
万が一のトラブル時には、支払停止の抗弁権・クーリングオフ・既払金の返還という権利を行使することもできます。
これからも安心してクレジットカードを利用していきましょう!